2019年2月27日 | ニュース

ウプサラ大学に留学します

突然ですが、明日から半年間、スウェーデンのウプサラ大学に留学してきます。
受け入れ先の研究室はゲノム・トランスクリプトーム解析を通した家畜動物の進化・遺伝基盤の解明を主な研究テーマとしていますが、家畜動物以外も様々な動物の進化についてオミクス/集団遺伝学的解析を行い、幅広い生物種の進化について興味深い現象を多数報告しています。
留学中は、European common wall lizardというカナヘビの形態・行動の進化遺伝基盤を研究する予定です。日本でもしたことないフィールドワーク/サンプリングが非常に楽しみ。また、空いている時間でウサギの家畜化過程における脳の進化についてもバイオインフォ的観点からできることを模索する予定です。さらに、これまで行なってきた研究でデータはあるけれど論文化できていないものも二つほどあるので、そちらも同時並行で進めていくつもりです。仙台にいると一つ一つの研究に締め切りがなく、なかなか上手に前に進めない部分があるのですが、留学では滞在期間内に形にする必要があるので、うまく進めて論文にまとめられればと思います。

初めての半年間海外滞在・研究留学と、文字通り期待と不安が入り混じる感じですが、行ってよかったと思える留学経験をして帰ってきたいと思います。

2018年12月30日 | 論文紹介

年の瀬なので、今年出た論文で面白かった、気になったものをピックアップしてみます。

Regulatory changes in pterin and carotenoid genes underlie balanced color polymorphisms in the wall lizard

体色多型を示すヨーロッパのカナヘビの仲間Common wall lizard(Podarcis muralis)の体色を決める遺伝子座を特定した研究。調べてみると、この種(および近縁種)の体色多型については多くの生態学的・生理学的・行動学的研究が行われているようで、今回検出された色素関連の遺伝子座がどのように多面的な影響を及ぼしているのか興味深い。
かなり高精度にゲノムを読んでいるのもポイントで、非モデル生物で集団遺伝学を行う際の教科書的な論文だと思う。論文はこちら(Andrade et al., bioRxiv->PNAS)。ということで、3月から半年間スウェーデンのウプサラ大学でこのトカゲの研究をしてきます。

The Unreasonable Effectiveness of Convolutional Neural Networks in Population Genetic Inference

近年徐々に増えてきている機械・深層学習を集団遺伝学に応用したという論文(Flagel et al., MBE)。DNA配列のアライメントを画像に見立ててCNNを行うという、新しい風を感じさせてくれる研究。著者の一人であるSchriderは最近立て続けに同様の論文を出していて、どこまで行くのか非常に楽しみ。

Coordinated change at the colony level in fruit bat fur microbiomes through time

コウモリの腸内細菌を調べたところ、異なる時点における同一個体の腸内細菌よりも、同じ時点における同一コロニー内の他個体の腸内細菌の方が似通っていた、という研究(Kolodny et al., Nature Communications)。社会性コウモリの進化において腸内細菌の"シンクロ"がどのような役割を果たしたのか、腸内細菌と動物の行動の関わりについて、遺伝子レベルでも考察できたら興味深い。

In silico study of medical decision-making for rare diseases: heterogeneity of decision-makers in a population improves overall benefit

人の集団における個人の決断の多様性の意義を示した論文(Wang & Yamada, PeerJ)。個々人の決断に多様性があることが重要だという。感染症をモデルにシミュレーションを行い、Decision makingにおける個性の重要性を示した。

Changing demographics of scientific careers: The rise of the temporary workforce

最後に、面白いとは違うけれど、大学の研究者の生存率(研究活動を維持できる年数)がここ30年で大きく下がっているという論文(Milojević et al., PNAS)。世知辛いのは日本に限らないようで。これまで自分があまり気にしていなかったからかもしれないけれど、特にここ1ヶ月はこのような「研究者についての研究」みたいな論文が(話題になることが)多かった気がする。他にも、非シニア研究者としてNatureやScience, PNASなどのインパクトの高い雑誌に論文を載せた経験がある(シニア研究者の助けを得た="chaperoned researchers")人は、PIとしても同雑誌に論文を掲載しやすいという研究(逆に言えばこれまでに同様の雑誌に論文を掲載したことのない研究者は難しい)(Sekara et al., PNAS)や、生命科学の分野において、学生やポスドク時代に専門分野の異なる複数の指導教官の元についた研究者の方が、後の研究キャリアにおいて成功を収めているという研究(Liénard et al., Nature Communications)。あるいは若い研究者ほどデータをシェアする傾向にある(Campbell et al., Trends in Ecology and Evolution)とか、著者の人種多様性が高い研究ほどインパクトが高い傾向にある(Alshebli et al., Nature Communications)とか。直感的には理解できるものばかり。

ほぼ11月以降のものになってしまった。まあいいや、何かあったら後で足そう。
ということで、今年もそれなりに頑張ったつもりではありますが、達成できなかったこともありました。ただ初めての論文を出せたという意味では記念すべき年と言えるのかもしれません。
来年もまた色んな人から刺激を受けつつ、刺激を与えられるような研究ができたらと思います。

2018年10月23日 | 論文紹介(Nature Communications)

The genetic basis of a social polymorphism in halictid bees

近縁種間(あるいは同種集団間)において社会システムが異なる動物種というのは極めて珍しいが、いくつかのハチの仲間では、同種内で真社会性を形成する集団とそうでない集団があるという種がいるらしい。特にコハナバチ科では少なくとも2回独立に真社会性が進化しているという。Lasioglossum albipesはそのような社会性に"多型"を持つハチの一種であり、しかもこの種の真社会性は可塑的要因ではなく、遺伝的要因によって支配されていることから、社会行動の進化遺伝学的基盤を探る上で最適といえる。
GWASの結果、シナプス小胞の開口放出にかかわるSyntaxin 1a (syx1a)のイントロンに存在する変異が検出され、細胞実験によって、実際にこの変異がエンハンサーとしてsyx1a遺伝子の発現量を制御していることが示されたという。また、この種の社会性行動に関連するとして検出された他の遺伝子についても、ヒトの自閉症スペクトラム障害の候補遺伝子が含まれていた。昆虫の社会性行動の進化に神経伝達物質の制御が関わっている例として非常に面白い。論文はこちら(Kocher et al.)。行動進化の研究で有名なHoekstraも関わっている。

2018年9月24日 | 論文紹介(Current Biology)

A Conserved Role for Serotonergic Neurotransmission in Mediating Social Behavior in Octopus

セロトニントランスポーター(SLC6A4, SERT)のオーソログをタコ(Octopus bimaculoides)で同定した論文(Edsinger & Dölen)。一般にタコは単独行動だが、繁殖の際には社会性行動を行う。同遺伝子のMDMA(SERTのリガンドの1つ)結合サイトはタコとヒト種間で保存されており、MDMA投与により向社会的行動を起こしたことから、原始的な軟体動物においても、社会性行動におけるセロトニンの神経伝達機能は保存されていることが分かった。

2018年8月21日 | ニュース

論文が出ました

初めての主著論文Evolution Letters誌に掲載されました。
小胞モノアミントランスポーター(SLC18A1, VMAT1)という、神経伝達物質の運搬に関わる遺伝子が人類の進化過程で選択圧をうけて進化してきた可能性を示したものです。精神疾患や性格、個性など、ヒトの精神的多様性がどのような選択圧のもとに存在するのか、ヒントになるような研究だと考えています。
分子実験等はやっておらず、バイオインフォ的な解析のみですが、結果が固まってから投稿まで一年、アクセプトされるまでさらに一年近くかかりました。長かった…。次からはもっとサクサク投稿していきたい。
(追記)多くのネット記事、出版媒体であるEvolution Letters誌のブログacademistの研究紹介記事のほか、Scienceでも紹介され、多くの人の目に触れると思うと、非常に嬉しい反面、身の引き締まる思いです。今後も誠実に科学研究を行なっていきたいと思います。

2018年5月12日 | 論文紹介(bioRxiv)

Detection of shared balancing selection in the absence of trans-species polymorphism

種の分岐以前から働く、古い平衡選択の痕跡を検出する新たな手法を提案した論文(Cheng et al., bioRxiv->MBE)。種間で保存されている多型から平衡選択を検出する手法はいくつか開発されているが(HKAテストなど)、そのような多型はそもそもかなり少なく、あったとしてもデータセットの準備段階の不備の可能性も高い。今回の研究は、既存の統計量にモデルベースの手法を組み合わせ、高い精度で古い平衡選択の検出を試みている。 その結果、ヒトとチンパンジーの両者でMHC遺伝子座やマラリア耐性に関わる遺伝子座に平衡選択が検出され、これは先行研究の報告と一致するものだった。T1,T2を開発したDeGiorgio氏が共著者。

2018年3月18日 | 論文紹介(bioRxiv)

Rethinking phylogenetic comparative methods

進化生物学の分野で長年行われてきた、"系統的制約の排除"の手法に疑問を投げかける内容の論文(Uyeda et al., bioRxiv->Systematic Biology)。"系統自然史"という新たな手法の提唱。

Genome-wide gene-environment analyses of depression and reported lifetime traumatic experiences in UK Biobank

UKバイオバンクのデータを用いてトラウマ体験が鬱に与える影響を遺伝子レベルで調べた論文(Coleman et al.)。トラウマを体験した被験者のみ、BMIと鬱の間に遺伝的な相関が見られたらしい。

2018年1月27日 | 論文紹介(Science, PNAS)

The nature of nurture: Effects of parental genotypes

子に遺伝しなかった親の遺伝的変異が子供に影響を与えるという、わけわからんくらい面白い論文(Kong et al.)。Genetic nurture(遺伝的養育)と呼ばれる現象を示した。

A neurochemical hypothesis for the origin of hominids

ヒトは他の類人猿や霊長類に比べ、大脳基底核の線条体でセロトニンやドーパミン、ニューロペプチドYの量が増加している一方、アセチルコリンが減少しているという論文(Raghanti et al.)。先月のScienceの論文と合わせ、神経伝達物質の制御に変化が生じたことがヒトの進化に重要な役割を果たしたのでは?と思えてくる。これから行うマウスを使った実験でも検証してみよう。

2018年1月20日 | 論文紹介(bioRxiv)

Human local adaptation of the TRPM8 cold receptor along a latitudinal cline

ヨーロッパ人の寒冷適応に関わるSNPを見つけたという論文(Key et al., bioRxiv->PLOS Genetics)。集団動態を考慮した上で、SNPの頻度と環境との相関を検出する手法は非常に参考になる。

2018年1月16日 | 論文紹介(bioRxiv, Science)

So you think you can PLS-DA?

Partial Least-Squares Discriminant Analysis (PLS-DA)とPrincipal Component Analysis (PCA)を比較した論文(Perez & Naradimhan)。機械学習の分野において、PLS-DAは応答変数と良い相関を示す特徴量を自動的に選択する優れた手法であるが、教師なしの手法であるPCAでも十分に特徴量を選択でき、次元を削減できることを示した。

Molecular and cellular reorganization of neural circuits in the human lineage

ドーパミン介在神経がヒトでは大脳皮質にもあるが、類人猿ではないことを示す論文(Sousa et al.)。ヒトと他の類人猿や霊長類との脳の違いを示す論文はたくさんあるが、神経伝達物質の制御の違いについてはあまり知られておらず、非常に興味深い。

2017年12月16日 | 論文紹介(bioRxiv)

Singleton Variants Dominate the Genetic Architecture of Human Gene Expression

ヒトの遺伝子発現におけるシングルトン(集団中に1アリルしか存在しない変異)の重要性を示した論文(Hernandez et al.)。遺伝子発現に対して頻度の非常に低い変異がおよぼす影響が思いの外大きい、という結果から、多くの遺伝子の発現調節においては純化選択(ひいてはmutation-selection balance)が働いていることが示唆される。

Language evolution to revolution: the jump from finite communication system with many words to infinite recursive language was associated with acquisition of mental synthesis

言語の起源、進化に関する論文(Vyshedskiy et al.)。前頭前皮質(Prefrontal cortex: PFC)の発達を遅らせるような複数の遺伝的変異が同時期に生じたことによって、再帰的な言語構造が獲得されたのではないかという議論。

Supergene evolution triggered by the introgression of a chromosomal inversion

超遺伝子(Supergene)の進化、形成過程についての論文(Jay et al., bioRxiv->Current Biology)。Heliconius属の擬態チョウを使い、蝶の羽の模様に関わるSupergeneおよび”Superalleles"が、染色体の再構成により、各チョウ系統で独立に生じたことを示している。

LD Score regression as an estimator of confounding and genetic correlations in genome-wide association studies

最近GWAS関連の論文でよく見るようになったLD Score regressionについての論文(Lee et al., bioRxiv->Genetic Epidemiology)。GWASにおいては、表現型との相関が検出されたSNPが、果たして本当に表現型に関わっているものなのか、もしくは真に関わっているサイトとの連鎖不平衡(Linkage disequilibrium: LD)によって検出されているのかを区別することが必要である。この論文ではLD Score regressionが、開発者が予想していた以上に非常にロバストな手法であることを示している。

2017年11月27日 | 論文紹介(MBE)

Genetic Interaction Network as an Important Determinant of Gene Order in Genome Evolution

遺伝子間の相互作用の強さと距離は反比例することをシミュレーションおよび酵母を使った実証研究で示した論文(Yang et al.)。
同じようなことを以前に考えていたが、いろんな研究に発展できそうな結果だと思う。

Detecting Long-Term Balancing Selection Using Allele Frequency Correlation

平衡選択の指標となる新たな要約統計量βを開発しましたよという論文(Siewert et al.)。
考え方としてはTajima's Dに近く、計算も簡単にできそう。

2017年11月3日 | 論文紹介(Current Biology)

Morphometric, Behavioral, and Genomic Evidence for a New Orangutan Species

新種のオランウータンをスマトラ島で発見しましたよという論文(Nater et al.)。
新たな種はタパヌリオランウータン、Pongo tapanuliensisと名付けられた。

Genome-Based Sexing Provides Clues about Behavior and Social Structure in the Woolly Mammoth

aDNAでケナガマンモスの雌雄判別をした結果、マンモスの行動や社会構造についての示唆が得られたという論文(Pečnerová et al.)。

2017年11月2日 | 記事・論文紹介(Nature・bioRxiv)

Personality in the chimpanzees of Gombe National Park

チンパンジーの個性を野外での観察により評価したという論文(Weiss et al.)。
個性研究で有名なWeissが筆頭著者。

How evolution has shaped mental illness

精神疾患の進化遺伝学的基盤についての記事(Reardon.)。

The dynamics of molecular evolution over 60,000 generations

大腸菌を6万世代継代した分子進化実験についての論文(Good et al.)。

Nearly Neutral Evolution Across the Drosophila melanogaster Genome

ショウジョウバエを用いたほぼ中立説についての論文(Castellano et al., bioRxiv->MBE)。

The Transcriptional Logic of Mammalian Neuronal Diversity

哺乳類の神経細胞の多様性についての論文(Sugino et al.)。
去年の神経科学会でのポスター発表で出会った杉野さんの論文。初めての学会だったからよく覚えている。

2017年10月28日 | 記事紹介(Science)

Neandertals gave ‘lost’ African DNA back to moderns

ヨーロッパ人の祖先が出アフリカの際に失った遺伝的多様性が、ネアンデルタールとの交配によって再びもたらされたという記事(Gibbons.)。

The sustainable scientist

"持続可能な"研究生活についての記事(McDonnell.)。本当にやりたくて必要なことにのみYesと言いなさい。

2017年10月27日 | 論文紹介(bioRxiv)

Prediction and interpretation of deleterious coding variants in terms of protein structural stability

コード領域の変異がタンパク質構造の安定性に与える影響を予測するソフトウェアについての論文(Ancien et al., bioRxiv->Scientific Reports)。

Energy demand and the context-dependent effects of genetic interactions

遺伝子型の効果が環境/ライフステージ/性別によって変化することをショウジョウバエを用いて実証した論文(Hoekstra et al., bioRxiv->Evolution Letters)。

2017年10月26日 | 論文紹介(bioRxiv)

Climatic niche dynamics and its role in the insular endemism of Anolis lizards

カリブ海のアノールトカゲの適応放散とニッチ保守性、気候条件との関係について調べた論文(Velasco et al., bioRxiv->Evolutionary Biology)。

Slower environmental change hinders adaptation from standing genetic variation

生物の環境適応について実験的に調べた論文(Guzella et al., bioRxiv->PLOS Genetics)。自殖線虫集団を使って実験を行ったところ、極端な環境変化は、変化後の環境での適応度が最も高い遺伝子型の頻度を急速に増加させる一方で、環境変化の速度を緩やかにした場合は、極端な環境ではあまり適応度が高くない遺伝子型の頻度を増加させた。環境変化の速度と遺伝子型の頻度増加の関係から、遺伝子と環境の相互作用が環境変動下における種の適応に与える影響についての考察が興味深い。後でじっくり読もう。

2017年10月25日 | 論文紹介(bioRxiv)

Impact of non-LTR retrotransposons in the differentiation and evolution of Anatomically Modern Humans

non-LTR型のレトロトランスポゾンがヒト Homo sapiensの進化に及ぼした影響について調べた論文(Guichard et al., bioRxiv->Mobile DNA)。

Machine Learning for Population Genetics: A New Paradigm

機械学習の集団遺伝学への応用についての論文(Schrider & Kern, bioRxiv->Trends in Genetics)。

Evaluation and application of summary statistic imputation to discover new height-associated loci

身長と相関する遺伝子座の新たな特定手法を提唱した論文(Rüeger et al., bioRxiv->PLOS Genetics)。最近はこうした大規模コホートデータ(ほとんどがUK Biobank)を使ったGWAS関連の論文が目につく。

A simple, consistent estimator of heritability for genome-wide association studies

これもGWASに関する新たな手法を提唱した論文(Schwartzman et al.)。

2017年10月24日 | 論文紹介(bioRxiv)

Genome-wide analysis of risk-taking behaviour and cross-disorder genetic correlations in 116,255 individuals from the UK Biobank cohort

「あなたはリスクを好む人間ですか」
このたった一つの質問でGWASをしたよ、という論文(Strawbridge et al., bioRxiv->Translational Psychiatry)が出た。神経細胞の接着に関わるCADM2という遺伝子が検出され、これは先行研究の結果とも整合性がとれたとか。また、リスクを好む形質とADHD/双極性障害/統合失調症などの疾患との間で遺伝的な正の相関が観察された。

2017年3月2日 | メモ

Juliaの速度

最近、Juliaという言語の存在を知りました。
PerlやPythonと同じ動的プログラミング言語のようですが、実行速度がFortranやC並みに速いとのこと。

Perlでスクリプトを作っていた際、たまに気になっていたのがこの実行速度の問題です。for文が重なるとどうしても遅い。C++を勉強しようとしていた時期もありましたが、結局挫折し、今に至ります。
どうもJuliaはスクリプトの実行時にコンパイルをすることによって、その速さを実現しているようです。
mwSoftさんのスクリプトをお借りして自分でも測ったところ、Python:188秒に対してjulia:9秒と、20倍ほどの差が出ました。ちなみにPerlは114秒で、意外とPythonより速かったのに対し、Rは444秒と、めちゃくちゃかかりました。RやPythonの場合はベクトルや行列計算でうまくやるべきでしょうね。
以下が計測に用いた各言語のスクリプトです。1000000から1010000の間にある素数をプリントするというものです。

Perl版

for (my $i=1000000;$i<1010001;$i++){
for (my $j=2;$j<$i;$j++){
last if ($i % $j == 0);
print "$i\n" if($j==$i-1);
}
}

R版

for (i in 1000000:1010000){
for (j in 2:i){
if (i%%j==0) break
if (j==i-1) print(i)
}
}

Python版

for i in range(1000000,1010001):
for j in range(2,i):
if i%j==0:
break
if j==i-1:
print(i)

Julia版

for i = 1000000:1010000
for j = 2:i
i%j==0 && break
j==i-1 && println(i)
end
end